ワイヤーエキスパートの評判とレビュー

ワイヤーエキスパート評判。フルークDSXと同等?牙城を崩せるのか?

LANケーブルを測定する試験器(ケーブルアナライザー)はFlukeフルーク(DSX-5000、DSX-8000、DTX-1800)の一社独占状態が続いています。この牙城を崩せる!?かもしれない試験器がやっと出てきました。

 

2017年ほとんど知られていないソフティング社のワイヤーエキスパート(WireXpert)です。まだ日本に来てから3年しか経ってないので私達が知らないのも当然だと思います。歴代のフルークを約20年使っている私達でさえDSXが発売されてから3年目で初めて知り、いじったのでそう簡単には知られるわけがありません。なおさら他のメーカーの試験器はタイミングが合わないとなかなか目に入ってきません。

 

 

ソフティング(softing)はドイツにあり車載エレクトロニクスで有名な会社です。車載エレクトロニクスにおいて、検証やプログラムなどのキーテクノロジー(システムにおいてなくてはならない根幹の技術)を提供しています。ソフティングが自動車以外にも軸を設けるためにネットワーク機器に参入し提供しているのがワイヤーエキスパートになります。

 

ワイヤーエキスパートはもともとアジレントテクノロジーのワイヤースコープを開発した部署が独立して作った会社のもので、それをソフティングが取り込みました。ドイツの精密機器(自動車、各種車両、医療機器、他)は世界一、二の精度を誇りますので精密さを疑問視する必要はないと思います。

 

試験の精度は大丈夫なの?という疑問は、試験器自体の試験の正確さ、保証(測定確度)を第三者機関であるIntertek ETLにより認定されてますので、この辺の疑問は解消できると思います。フルークもIntertek ETLにて認定を受けて正確さを保証しているので試験の正確さは同じです。

 

 

 

ワイヤーエキスパートってどう?現場目線のレビューと使い勝手

DSXはとてもデカく持ちづらいのに対し、ワイヤーエキスパートは持った感じは良いです。DSXと同じようにDTXより色々な面で機能がアップしているのでDTXより大きく、DSXより小さい中間ぐらいの大きさです。DSXのようにデカイだけで中身のスカスカ感もなく、程よい重量感があり、見た目の色合いもかっこよく高級感があります。

 

使い込んでいっても汚れが目立たない色合いと材質になっているのでいい感じだと思います。外装は頑丈に作られています。本体に硬いゴムでクッションされており、現場で落としてもまあ大丈夫かなと感じます。

 

 

これもやはりタッチパネルです。時代だからしょうがないのでしょうか。DSXでも思った「軽い潔癖症?の自分だけ」だと思いますが何で?タッチパネルなのでしょう・・・スマホでも画面がベタベタなのは我慢できません。まして夏、脂ぎった汗満載・・・ほんと嫌だなあ。せっかく画面は液晶?の上にガラスのようなもので保護しており見やすく綺麗なのに残念でなりません。

 

タッチパネルは見る所の画面だけを触って操作するのではなく、下側にカーソル移動や設定のボタンがあります。この辺はDSXより画面をベタベタ触らなくていいのでいいかな。付属でタッチペンも付いてますが、まあ使うのは物珍しさの最初だけで後は付いているのも忘れて使わないでしょう。

 

 

側面にはDSXと同じように現場では使いもしない色々なコネクターが付いてます。外装がせっかく上手く作られており、コネクター部分の周囲が凹んでいるのだからスマホのように蓋を付けてくれればいいのに。粉塵で薄い膜をはられて一生を終わるのでしょうか。事務所やサーバールームで使うことを前提にしているのでしょうけど、実際には色々な綺麗とは言えない環境も多いですし、使い方が粗い人たちが使うことも分かって欲しいですね。

 

 

画像はチャネルのアダプターを装着しています。このアダプターを交換することによりパーマネントリンクや光(オプション)の測定ができるようになります。アダプターの脱着はしやすいです。DSXのアダプターは壊れやすいように感じてしまうのですが、これは逆に壊れづらい構造になっています。DSXのようにアダプターの羽を引っ掛けて折る修理前提の心配は必要ないでしょう。

 

 

パーマネントリンクアダプターはケーブル自体も分離します。ケーブルやRJ45がダメになってもケーブルだけ交換できるようになってます。接続部分はRJ45のように差し込んで片側のピンだけで留まる仕様です。そのためこの接続部分が多少グラつきます。

 

現場でケーブルを引っ張ってしまったりするので多少心配な部分になります。シビアな部分になるため、構造的にコンソールケーブルの両側に付いているネジで補強しながら留める仕組みだったらと思ってしまいます。まあ気にしない人は気にしない程度のことですけど現場では気をつけましょう。

 

 

私達だけかもしれないことかもしれませんが、試験器を地べたに置いてテストをすることが非常に多いです。例えば数本の番号が分からないケーブルを試験にかける際、右手でケーブルの束を持ち、左手で試験器に次々に差し込みます。テストが掛かるまで繰り返さないといけないので、左手だけでケーブルの抜き差しを行う流れになります。この時にRJの抜き差しががやりづらいと感じました。

 

チャネルアダプターのRJの差し口が下側(向こう側に)付いているので、差しづらく感じてしまいます。まあ慣れのせいもありますが普通に座って上記の一連の作業を行っている時には、頭を向こう側に覗き込む感じになりますので少し気になる部分でもありました。慣れれば済むことだと思いますが・・・。

 

 

試験/規格の範囲ですが、ワイヤーエキスパートWX-500がフルークDSX-5000と同等でCat6Aまでの試験になります。WX-4500がDSX-8000と同等でCat8までの試験になります。Cat8って何それって感じですが、そうなってます。後からでも各項目をオプションで追加できますので、使いそうもないようでしたら通常ので十分です。WX-500Rは、光のプログラムをオプションで追加したものです。

 

設定画面はほぼ直感的に操作できると思います。もちろん日本語ですし、操作性は良いのですが最初の電源の立ち上がりが遅いです。電源を入れてからちょっと待ちます。テスト結果を保存するのも遅く感じてしまいます。まあこの辺は慣れかもしれませんし、何と比べて早いのか遅いのかにもよりますが・・・。

 

 

ケーブルを差し込んで両端の接続が確立した時の音の反応が遅いです。ケーブルの成端がパスの時は普通にすぐ音で反応してくれますが、ファールの場合に音の出るタイミングが体感的に2、3秒遅く鳴ります。これはテストを掛けなくてもファールを判別できる?するため?のようですが、パスでもファールでもすぐに音で接続確立を知らせてくれる方がいいですね。

 

成端がファールで音に気付かずそのままテストを掛けると、テスト終了まで行ってしまいます。成端がファールの場合、途中で止まってくれません。ワイヤーマップ、クロス、ショートなど明らかに失敗の場合にはすぐに音で知らせて途中で止めて欲しいです。最後まで見届ける必要はないかと思います。

 

 

 

親機2台で1セット!??ワイヤーエキスパートの一番良いところ

親機が2台でワンセットなの?最初に思ったことです。今までフルーク以外にもペンタやオムニなど色々な試験器を使ってきました。ほとんど画面がある親機で操作をして、画面が無い子機にはパスかファールのランプしかありませんでした。子機にまで操作のできる画面がある機種を使っていた人には感動はないのかもしれませんが、私達にとってはかなり衝撃的でした。この「おっ〜」って感じを分かってくれる人はかなり多いと思います。

 

正確に言うとLOCALがメインの親機になり、REMOTEが子機になります。親機と子機の違いは設定などで、子機からは色々確認することができます。現場のケーブルテストで一番時間が掛かるのが、ファールが出た時の原因の特定や確認と手直しです。ファールが出たら親機をいじっている人に聞かないと分からないので、電話するかその場所に行くしかありません。

 

 

データセンターなど今はセキュリティーが非常に厳しくなっている所もあり電話、カメラ、デジタル機器などを持ち込み禁止も多いです。お互いのテストを掛ける場所が行き来できない、電話(内線)できない所などは両端からケーブル内容が確認できると作業時間の短縮になります。ヘッドセットやイヤホンがあるじゃね〜かと言う声も聞こえてきそうですが、使うのは物珍しい最初だけで後はぶん投げて一生使わないです。いちいちご説明は致しませんが・・・

 

ファールが出た時にいつも偉そうにドベーっと座りながら親機しかいじらない人に、いちいち聞かなくていいのでこれは便利です。と、いつも子機を持ち歩く人は思うはず。お前も途中まで来いよと思わなくて済むのでは。

 

 

試験項目は規格に準拠しているので問題なく測定できます。フルークで測定してパスしたものとファールのものを測定しても同じような結果になりました。細かい数字の違いはありますが、違和感を感じることはありません。

 

実際のケーブルを測る時に掛かる時間はDSXと同じぐらいです。DTXよりは早いですが、あまり早くても子機の人が嫌になるだけで気にしないですけどね。測定時間を重視するのは開発している人だけで、現場で使うのにはもっと違う所の方が大事だと思うのです。

 

 

両端から確認できる作業のしやすさ以外にも、維持費が安いのがいいです。アダプターや付属品も高くありませんし、校正費も半分ぐらいの値段です。通常の試験器のセット一式の値段は定価で100万です。普通のLAN工事ではこれで十分です。材料屋さんを通さなくても直接売ってくれるので、仕切りでどのくらいになるのかは頑張りようです。

 

技術的なサポートをする原田産業(総合代理店)がそれにあたります。材料屋さんから買っても結局、校正や修理などもここに行くので最初から直接取引した方がいいでしょう。DSXが高くて泣けてくる人は、ワイヤーエキスパートも選択肢の一つとして考えてもいい試験器だと思います。

 

 

愛情と愚痴と願いを込めて

お金第一になってしまったフルークはどんなに画期的で素晴らしい機種でも10年で切り捨ててしまい、校正も修理もプラス数年したら何もしてくれません。これでは私達貧乏人は泣くしかありません。上から目線の殿様になってしまったフルークには、私たちに寄り添ってくれた19年ぐらい前のあの頃のフルークに戻って欲しいものです。

 

しかしソフティングは10年で切り捨てるということはないと言っています。もちろん将来のことなんてわかりませんが今、言っているのはたしかです。そして現場の声で「う〜ん」という小さな声が集まってくるとプログラムで変えられるところは修正してくれるようです。

 

現場の声を聞き試験器の操作に関することや仕様を反映しマイナーチェンジしていってくれるというのです。現場の意見を取り入れて使いやすい、より完成された試験器を目指すという姿勢があります。

 

一社独占状態はよくなく競争しあってこそ、より現場でも使いやすい機種になり価格も下がっていくのではと思います。数年後、フルークの牙城を崩した企業があるとすればソフティングなのかもしれませんね。LAN業者泣かせのフルークに代わり、ソフティングが私達の救世主となってくれることを望みます。

 

 

最後になりますが、なぜここにパナソニックも来ないのかなあ。
Made in Japan頼みますよ

 

 

トップページ