LANケーブルの皮のむき方です。UTPや電話線、光ケーブルなどに通じるむき方です。一般の人用でも、と言うことでカッターでのむき方も書きますが、カッターを作業で使ってはダメな企業や工場もあります。
カッターと言うのは子供の頃からの慣れでしょうか、みなさん何も考えず使用しますが、非常に安易に怪我をしてしまう道具です。ケーブルをむく際にズッコケて、太ももの内側をざっくり切ってしまう事例もちらほらあります。電気工事でもカッターがダメな企業もありますので、今後はもっと規制されるでしょう。これから頑張りたい人で専用工具を持ってない人は、客先や出先の工場でカッター禁止と聞いてビックリしないように用意しておきましょう。
カッターは切れる物を用意して刃がボロボロはダメです。切れないものは余分に変な所に力が入りますし、思うように刃が皮に入ってくれませんので切り口が汚くなります。弱電ケーブルの皮は電線に比べると非常にやわに出来てます。
思っているより薄いので刃が芯線に入り込まないようにします。ケーブルに対して垂直に押し当てますが、包丁のように押したり引いたりして切ってはダメです。刃がグイグイ中に入ってしまいます。刃は押しあてるだけで皮が切れます。
UTPの場合はここまで刃を入れる必要はありませんし、入れ過ぎぐらいです。皮に押しあてた状態で押すなり、引くなりするとあっという間に刃が入ってしまいこのような状態になります。 | |
さっくり行ってしまった時はこのように芯線に刃がサクッとは入っちゃってます。見やすい様に皮を外した状態にしてあります。 | |
1回だけ少し刃が入った状態でもミド、オレ、オレ白に傷が入ってます。この状態だともう一回やり直しです。また専用工具でやっても刃がダメなら何回もぐるぐる回さないといけません。 | |
安い専用工具やVの字の構造で差し込んで回す専用工具で何回も回すとこうなってしまいます。上の画像よりもっと傷がいってます。今は直接見えているので分かり易いですが、本来は見えないでむいてから分かります。 | |
芯線の被覆が傷んでしまうと、少しいじっただけで折れてしまいます。成端の時にすぐに折れればやり直せますが、最後の試験の時に障害となってやり直さないといけなくなるのが二度手間です。この皮をむいた所で折れてしまうことを首断と言います。 | |
切り方の比較です。理想は薄皮1枚残った状態がベストです。刃を押し付けた状態でグルっと一気に切ります。(ニュアンスの問題ですが、逆に考えるとカッターを固定して刃に押し付けて自転させる感じです。実際にはケーブルを固定してカッターを回しますが・・・) | |
ケーブルに対して刃を押し付けた状態で外周の270度位切れば皮はむけます。一周360度切らなくても大丈夫です。けっして押したり引いたりしないこと。薄皮1枚残した状態で板ガムを折るような感じで曲げて、両手で引き裂いてあげればいいのです。 | |
1番使い易いくるくるカッターと呼ばれるものです。他の物は大きいので使いづらいです。刃は普通の細いカッターの刃が使えますので非常に便利です。クリップの構造で挟むようになっていて、ケーブルを挟む所にはローラーが付いているので回り易くなってます。 | |
専用の皮むきは必ず刃が調整出来るような物を使った方がいいです。くるくるの場合はネジを2本緩めて刃を上下に出し入れ出来ます。数百円で売っているような、指を入れてグルっと回すはダメです。ケーブルは色々な種類と太さ、形状がありますので対応出来ません。 | |
Cat6のケーブルなどは、構造上表面がゴツゴツしていて平らになってません。Cat5で使っていた物をCat6で使う場合は調整が必要な時も多々あります。Cat6の場合は表面に凹凸がありますので、画像の用に薄皮1枚と中が見えている状態になりますがしょうが無いです。この位でベストです。 |
ハッキリ言って慣れてくれば、薄皮1枚ではなくても、多少強引に引き裂けば皮をむくことはできます。芯線に対してもどの位、刃が入ったらダメとか分かるようになります。例えば上の画像の4枚目だとミドはヤバいですが、オレ、オレ白はなんとかいけそうな、やばそうなとかです。また皮をむいた時にやばそうだなと思ったら芯線を強く引っ張ってあげましょう。ダメなやつはちぎれますので、確認のためやっておきましょう。イイやイイやで成端しちゃうのは1番ダメで、その場はOKでも後々障害の元になりますので確認が大事です。
日本製線 ケーブル皮むき器 クルリッパー(SM) 通称くるくる
日本製線 ケーブル皮むき器 クルリッパー(SL) 通称くるくる
2011年までのクルクルと同じサイズはSLです。ケーブル適合サイズは5パイ~10パイです。SMは4.7パイ~9パイです。歯の調整ができるのでどちらでも大丈夫です。だいたいの太さの弱電ケーブルは使えます。多少細くても、太くても使えるようになります。