無線LAN機器を購入するにあたって、少し分かりづらい速度と空間ストリームとMIMO。一般家庭用メーカーは速度速度とあおりまくって、対応できる、出来ないを凄い小さく表示させているので購入してから、うううな状態になることも多々。宣伝文句に踊らされないよう空間ストリームとMIMOをごくごく簡単に。
無線LAN機器と端末間において、通常は一つの経路、送信アンテナ(送信回路)と受信アンテナ(受信回路)で通信していました。IEEE802.11nで「MIMO(マイモ)」(マルチインプット-マルチアウトプット)と言う通信技術が採用されて、複数の通信経路が可能となりました。ストリームとは、通信経路の事を指します。一つのデータを複数に分けて、別々のアンテナで送信し、送られたデータを別々の受信アンテナで受けとります。例えば2個の送信アンテナで送って、2個の受信アンテナで受けたら、通信経路は2個で2ストリームとなります。
表記は(1×1)は、送信アンテナが1、受信アンテナが1ということで1ストリームとなります。3ストリームの場合は(3×3)となります。無線LAN機器と端末で同じアンテナ数がないとストリームは増加しません。例えば、ルーター側では送信アンテナが3あって、端末では受信アンテナが1だとすると、1ストリームとなります。同時に送れる最大ストリーム数は、アンテナの数が少ない方になります。
機器単体の表記で(2×3)となっていたら、送信アンテナが2で受信アンテナが3ありますという意味です。また外付けアンテナが6本あっても機器の外見からでは判断は付きません。内蔵型だと外側にアンテナは付きません。ぱっと見のアンテナの数ではなくて、アンテナと無線モジュールを含んだ送受信機の数です。
MIMO「マイモ:マルチインプット、マルチアウトプット(多入力、多出力)」とは、IEEE802.11nから採用された無線通信技術なります。今までとは比べ物にならないぐらいの通信技術で、一気に速度が上がりました。一つのデータを複数に分けて、一度に複数のアンテナでデータを伝送するマルチパス(多重波伝送路)が出来る技術です。一般の通信は、SISO (シングルインプット、シングルアウトプット:単入力、単出力)といい、一度に1つの空間的ストリームで送受信します。
送信側と受信側の機器で、同じ数のアンテナが必要となり、アンテナ数の少ない機器があった時は、少ない方に依存します。例えば送信アンテナが1、受信アンテナが1(1×1)と送信アンテナが2、受信アンテナが2(2×2)だと単純に理論上の速度は2倍になります。
親機と端末は単一のアドレスの1対1で通信するため、端末1台のみがデータを取得することを、シングルユーザ MIMO(SU-MIMO)と言います。複数の端末が同時に接続した時、タイミングをずらして各々の端末にデータを送信するので、ほんの少しですが待ち時間が出てしまうことになります。複数のアンテナを持った端末なら速度は上がりますが、スマホやタブレットなどのアンテナが一つしかない端末では、あまりこの技術を活かすことは出来ませんでした。続き→MU-MIMOとビームフォーミングとは?
【2ページ中の1ページ目を表示中】