ニッパを適当に選んでませんか?ニッパは弱電ではとても大事で、なんでもかんでも一丁のニッパで切ってしまってはいけません。その時々で代えないとあっという間に刃がダメになってしまいます。道具はよく大は小を兼ねるといいますが、弱電の場合はあてはまりません。
電気工事ではなく、LANや電話工事はパソコンまわりや19インラック内など、お客さんがいじる場所での作業が非常に多いです。ケーブルや電源線を束ねる時に使うインシュロックを切る時に、ニッパの使い方や種類が問題になります。
インシュロックなどを切る時はこのような片刃(薄刃)のニッパを使うようにしないといけません。インシュロックの頭にニッパをあてて余分な所を切った時に片刃ではない(下画像)と必ず数ミリ残るのです。切った所が非常に鋭利なので、その周りで作業をしている時、そこにこすってしまい手を怪我します。特に手の甲が多く意外とさくっと切れます。私達が怪我する分にはいいですが・・・。
19インチラックなどは色々な業者の方も入りますので、この辺の気も多少は使ってあげれるようにしておきましょう。
このような強力(厚刃)ニッパで切った時に刃が凹んでいる長さだけ切り残しが出ます。強力ニッパは刃が頑丈に出来てますので、固めの物を切る時に適してます。ですがこのニッパでLANケーブルを成端するのにはむきません。切った時に芯線が垂直に切れないで、潰したように切れてしまいます。その為にRJやパンドのローゼットに入れる際に先端が入りづらくなってしまうのです。
また強力ニッパでも光のテンション(鋼芯)にはとても刃がたちませんので注意して下さい。光ファイバー自体は切ることは問題ありません。
弱電線を切るには使い易いと思うのは薄刃(プラスチックニッパ、片刃)で、多対でもFでもサクサク切れるがいいです。大きさは大きすぎると細かい部品などに入れながらカット出来ない為に200mm以下ぐらいがいいでしょう。刃の長さや大きさは、4P(8芯)を横に並べてRJを付けるような感じにした時に一発で切れる長さがいいでしょう。8芯を並べた時にピッタリ過ぎるとやりづらいですので、小さ過ぎるニッパもLANにはむきません。
刃を部品に当てた時にピッタリ合わせられないとLANの成端にはむきません。要らない線は綺麗に取らないと成端の時に邪魔になります。強力ニッパだとピッタリ合わせても少し芯線が残ってしまうのです。
また逆に切れすぎるニッパがあります。刃がカミソリの様な切れ味で、本来なら凄くいいニッパなのですが、これが意外と余計なことに繋がってしまうのです。刃が切れすぎるために、ケーブルの皮を簡単に切り裂いてしまうのです。既存のケーブルに掛かっているインシュロックを切る時に一緒に皮を切り裂いてしまったり、配線の時にビニールテープを切ろうとして一緒に皮を切ってしまいます。あほな事だと思うでしょうが以外に起きてしまうで、切れ過ぎると言う贅沢なニッパも気を付けた方がいいでしょう。
斜ニッパは昔から電話で使われていたニッパで、その特徴は刃が後ろに出っぱっていて、斜めに切れるようになっているのです。なぜこのようになっているかと言うと、昔の電話線はP線と呼ばれ、2芯が平行になっているものを使っていました。今で言う電線の平行線の電話版です。その平行線を途中で一芯づつの割りやすいようにと斜ニッパが作られました。
今でも斜ニッパを使っている人も多いですが、電気工事の様な腰道具をしていると赤丸の所が引っ掛かりますので、改めて買う方は気にしてみましょう。また一部スットコドッコイが既存のまとまった線をいじっている時に、先端ばかり気にして赤丸の所でケーブルを切ってしまうことがあります。新規の時はあまりありませんが、既存線なので余計たちが悪いので、この辺も気を付けた方がいいでしょう。