実際の工事の時にはほとんど決まっているLANの構成ですが担当者レベルになると、こちらにお任せのお客さんがたまにいるので、基本的なLAN構成の考え方は頭に入れておきましょう。LANの構成はお客さんがどこまでの質を求めているのか?を理解して作業にあたりましょう。それによって使用する材料も違ってきます。
集合住宅やLANがつながればOKと言うお客さんの時は、そこまで質を求めてませんのであまり気にすることはありません。そのような場合はフルークを掛けなくてもいい時が多いと思います。質をあまり気にしないお客さんは、パッチパネルやローゼットなどの端末材料の使用箇所も問われないことも多いですが、接続箇所をいくつも作るのは挿入損失(接続損失)が大きくなりますので極力少なくしてあげましょう。
質を求めれば手間も掛かりますし、予算も高く付きますのでしょうが無い面もあります。お客さん自体が仕様を知らなく、分からないのを理由に作業のしやすいようにするのはいけません。それこそ後になって担当者の質が問われます。その辺は臨機応変に行きましょう。
LANの構成をANCI/TIA/EIA/ISO/JISなどの規格に沿って行う場合は、基本となる決まりがあります。実際の工事では規格との多少の違いや変更もありますので、一概に絶対ではありません。規格上に記載されてないと絶対ダメと言うわけではありませんのでお間違いなく。
図は複数の構成パターンの中の一例です。LANの構成は大規模でも少数規模でも機器間で区切って考えていきます。大元のネットワーク機器(スイッチングハブなど)から始まり端末機器(パソコン)やHUB(スイッチングハブ)を一区切りとします。その機器間内に使うローゼットやパッチパネルなどの設置方法や接続箇所数、ケーブルの長さも決まってます。
工事の際にUTPケーブルはよく100M以下ならOKと言いますが、実際には接続箇所も含め端末機器が使用できる状態でのケーブルの全長が100M以下ですのでお間違いなく。
使用できる状態での全長をチャネル(チャネルリンク)といいこれを100M以下にしないといけません。パッチパネルを設けた時は片端をローゼットで成端します。その状態をパーマネントリンクを言います。この場合はパッチパネルからローゼットまでの長さを90M以下にしないといけません。
図のパターン4の場合、フルークで試験を掛ける時にパーマネントリンクとチャネルのどちらで行うかは、はっきりいってお好みでやることが多いです。お客さんからの要望がある時はそれに沿えばいいのですが、現状は担当責任者のお好みです。パーマネントリンクはパッチパネルとローゼット間で試験を掛けますが、その先にパッチコードを接続するだけでチャネル仕様となります。
規格に沿うとチャネルの両端のパッチコードは実際に使用するもので試験を掛けますが、現実はテストコード(普段持ち歩いているコード)で行いますので、厳密に言うと規格と少し違いますが、この方法で試験をするのが多いです。そこまで気にする人もほとんどいませんが、頭のなかに入れておきましょう。次へ→構成パターンと接続(ジョイント)ヶ所数と使用材料
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